
原酒
知っている方が楽しいし美味しいだろうけど、結構日本酒に関する様々な言葉って、何となく聞いたことはあっても、それがどういうこと・ものなのか?は意外に説明できなかったりする。
なので、もっとわかり易く簡単に楽しく美味しくなるように、と考えたこのシリーズ。今回は『原酒』について。
少し前に呑んだお酒に『梅津の生もと 笊・にごり 玉栄 R1/80 白ラベル』というのがあった。
このお酒のラベルには『原酒』の赤い文字があった。

生酛づくりのこのお酒は発酵中の醪を笊で濾して瓶詰にしたもので、アルコール度数は原酒だけに20%と普通のものと比べてかなり高いものだった。
原酒とは?

ちなみに日本酒づくりには『割水』という工程がある。
貯蔵後に水を加えてアルコール度数を15度前後になるように、また日本酒独特の香りや味わいのバランスを調整するものだ。
この割水を一切しないものが『原酒』だね。
当然米の濃い旨味が口の中いっぱいに広がる。
好きな人には堪らないしクセになるだろうけど、呑みなれていない方には結構ハードルは高いかもしれない。
焼酎の原酒

でも焼酎の原酒に比べればそれほど高いアルコール度というわけでもない。
そもそも焼酎のアルコール度数は九州に行くと20度のものも多いけれど、だいたいは25度。
一般的な焼酎は蒸留後に、他の焼酎や水を加えて味のバランスを調整し、アルコール度数を25度にして出荷される。これは日本酒と変わらないね。まあ日本酒に日本酒を加えて調整はしないけど。
そして原酒の方は?と言えば、焼酎や水を一切加えずに瓶詰めする。なので当然アルコール度数は高くなる。
その度数は麦や米焼酎だと43~44度、芋焼酎だと37~38度となるのが一般的。蒸留して最初に出てくる最初のわずかな原酒『ハナタレ』だともう少し高くなる。
日本酒原酒の飲み方

さて、日本酒の原酒の飲み方だけれど、当然そのまま呑むのが1番。
もちろん氷を入れてオン・ザ・ロックにして呑むというのもあり。炭酸水を入れるのもありかもしれない。加水して燗にして呑むのも良いだろう。
でも、せっかくの原酒なんだから、やはりそこはそのまま呑んでほしいと思う。
というわけで…
原酒は焼酎にしても日本酒にしても、呑んだ時のインパクトが全然違う。ただそれが普通になってしまうと、通常のものが物足りなくなってしまうからね、注意が必要だ。
刺激が強いものでも、それに段々と慣れてしまうと、より強い刺激を求めるのと同じことだ。
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