さて、『Exhibitionism-ザ・ローリング・ストーンズ展』レポートの続きだね。
オリンピック ・スタジオ再現
続いては、ウエスト・ロンドンのバーンズにあるオリンピック・スタジオが再現されている。これがまたとにかく素晴らしい。
アフリカン・ドラムが置いてあるので、『Sympathy For The Devil』のレコーディング現場の再現と言う感じか。
チャーリーのグレッチやラディックのドラムにタブラ・セットにアフリカン・ドラムやキースの1957年製ギブソン・レスポール・カスタムやダン・アームストロング製ルーサイト・ベース、
ブライアンのギブソン製レスポール・スタンダードゴールドトップやイアン・スチュワートのアイェロ&サンズ製ピアノ、ボビー・キーズのセルマー製サクソフォンなどなど。
レコーディングテープの箱も一緒に展示されているのだが、そこに書かれた曲名を読んでいるだけでもかなりの楽しさ。
このあたりはかなりマニアックなものなので見る人が見ればただのガラクタみたいなものかもしれないが、ファンには堪らないものに違いない。
そして、ドン・ウォズが『プロデューサーの役割とは』、『いいテイクのために』、『スタジオのストーンズ』、『レコーディングの技術』について語る映像もなかなか興味深かった。
他にもパリのパセ=マルコーニ・スタジオやロサンゼルスのサンセット・サウンズの関連アイテムも。
更には、ローリング・ストーンズ・モバイル・スタジオのパンフレットやチラシや広告。
このスタジオは、例えば レッド・ツェッペリンやディープ・パープル、ザ・フー、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ、フリートウッド・マックなどにも貸し出されたのは有名だ。
そうそう、ディープ・パープルの『Smoke on the Water』の歌詞の一部に『To make records with amobile』ってあるけど、あれはこのスタジオのことだ。
ギター・ギャラリー
そして次がまたまたとにかくスゴイ。
キースとロニーが昔から今もなお使い続けている歴史的なギター。
その本物の数々が何とそのまま展示されているのだ。
しかも本当にすぐ近くで見ることが出来る。
なので傷や装飾なども細かく見られるのでかなり楽しい。
見たことがあるギターがズラリと並んでいるのは圧巻だ。
見たことがあると言っても当然立体的になんて見たことはないわけで、
それが間近に見られるだけでも間違いなくファンだったら興奮間違いなし。
バックには実際にそれを弾いている写真パネル。
それぞれに彼らのそのギターに対するコメントが添えられているのも興味深い。
ただしつこいようだが、
これだけ近くで本物が見られると言うのは本当にスゴイ体験になると思う。
ストーンズのライブ映像をあれこれと見てきた人にとっては、
あの時にこれを使っていたよな、これはあのツアーの時だ、
などなど、様々なシーンを思い浮かべることになるだろう。
そして、このコーナーにはギターが展示されているだけでもスゴイのに、
真ん中にはストーンズの楽曲を何曲かの選択肢の中から選んで、自分でミックス出来ると言う誰もが楽しめるコーナーもある。
ミックのボーカルやキースとロニーのギター、チャーリーのドラムの音を自分で好きにいじれるもので、これが楽しくないわけもなくついつい時間を忘れて遊んでしまう。
ミックの自筆の歌詞
ダリル・ジョーンズのベースをクッションにして、
その後に現れたのがミックの使ったブルース・ハープとアコースティック・ギターだ。
そしてノートに書かれたミックの手書きの歌詞の数々が展示されている。
70年代後期の歌詞が中心だが、実際にレコーディングされた歌詞とは異なる部分も当然あって、それを探すのもまた1つの楽しみ方だろう。
Lips and Tongue オリジナル
そして次に飾られているのが、 ジョン・パッシュがデザインしたストーンズの象徴的なロゴ『Lips and Tongue』の最初のもの。
アルバム『Sticky Fingers』で初めて登場したこのロゴを、このアルバムのアートワークを担当したアンディ・ウォーホルのものと勘違いしている方も居るみたいだけど違う。
これは当時ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの学生だったジョン・パッシュのもの。ミックがレコード会社デッカが用意したデザインが気に入らず美術学校に依頼したのが始まり。
その際に学校側が推薦してきたのがジョン・パッシュだったわけで、ただ50ポンド(約1万円)の報酬しか受け取っていなかったらしい。今となっては少なすぎだが(笑)。
その後、ミックから200ポンドのボーナスが支払われたそうだが、もしも売上の何パーセントを受け取るなんて契約を結んでいたら、とんでもない額が彼の元に転がり込んだだろう。
オリジナルはイギリスのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館がオークションで1,000万ほどで手に入れて所有している。
更にここには『Lips and Tongue』の立体オブジェがあって、いくつものパターンの鮮やかなプロジェクションマッピングが映されてロゴが七変化する様子が見られる。
その後は様々なポスターがズラリと飾られている。
これらがまた実に楽しい。
特にツアー・ポスターはデザインがどれも素晴らしく楽しめるはずだ。
さてさてまだまだ続く。
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