J 志賀直哉邸跡 庭と書斎
さて、
第二十二回 あびこアートな散歩市 ABIKO ART WALK 2023。
今回も、
志賀直哉邸跡(緑雁明緑地)。
J2 志賀直哉邸庭 マエノマサキ インスタレーション 小さい白いにわとり
書斎脇にあるのが、
マエノマサキさんのインスタレーション小さい白いにわとり。
パンデミックを経験したのは、
マエノマサキ 小さい白いにわとり 説明パネル
私たちばかりではない。
鳥インフルエンザの流行で、
大量に殺処分されるニワトリたちは、
たまったものではなかろう。
そんなニワトリをモチーフにしながら、
志賀直哉の小説「濠端の住まい」を思い浮かべていた。
そこには猫が出てくる。
ニワトリに猫、
といえば「小さい白いにわとり」というウクライナ民話に重なった。
志賀直哉 濠端の住まい
志賀直哉、
大正十四年発表の濠端の住まいから。
雛も可哀想だし母鶏も可哀想だ。
志賀直哉 濠端の住まい
そしてそう云う不幸を造りだした猫もこう捕えられてみると可哀想でならなくなる。
しかも隣の夫婦にすれば、
この猫を生かして置けないのは余りに当然のことなので、
私の猫に対する気持ちが実際、
事に働きかけて行くべくは、
其処に些の余地もないように思われた。
私は黙ってそれを観ているより仕方がない。
それを私は自分の無慈悲からとは考えなかった。
野良猫が捉えられていた囮の箱が、
日干しされている不在の風景。
自然の摂理?
仕方がないこと?
鳥インフルエンザはそうなのかもしれないが、
殺処分はどうだろう?
無慈悲だろうか?
無慈悲ではないだろうか?
ウクライナ民話 小さい白いにわとり
小さい白いにわとりがぶたやねこやいぬに、
このむぎだれがまきますかときいてもみんないやだという。
だれがかりますか?ときいても、
だれがこなをひきますか?ときいてもやはりみんないやだという。
だれがぱんにやきますか?ときいても、
やはりおなじこと。
小さい白いにわとりはひとりでむぎをまいてかって、
こなをひいてぱんをやく。
でもだれがパンをたべますか?ときけば、
みんなたべるという。
最後に小さい白いにわとりは、
みんなにいったいなんといったんだろう?
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