東葛印旛大師88ポタリングこれまでと今回
さて、
東葛印旛大師88ポタリング。
前回に続き、
今回も高柳地区。
高柳地区には、
東葛印旛大師の札所が6つと元札所が1つある。
そのうち前回の原庵堂23番と高野堂39番に続いて、
今回は残りの念仏堂跡3番/善龍寺 2番札所/福寿院 27・82番札所。
沼南の歴史をあるく38 福寿院
沼南幼稚園に隣接している福寿院は、
沼南の歴史をあるく38だ。
これも、
沼南町の歴史をあるくと町が付いている。
宝光山福寿院と言う真言宗豊山派のお寺で、
沼南の歴史をあるく38 福寿院
本尊は十一面観音菩薩で秘仏となっています。
観音堂は江戸後期の建物で三間半四方の小堂ですが四方に濡縁をめぐらせた回廊造り、
鹿の子建てで入母屋の屋根には茅が葺かれています。
沼南の歴史をあるくの白い標柱の右後に見えるのが、
正面に四国八十二番移と刻まれた標石。
側面には、
文化五戊辰年九月十八日下總國高柳村
台座には、
信心講中と刻まれている。
左後には、
不動明王塔。
不動明王の下は、
脇侍である矜羯羅童子と制多迦童子だろう。
その下には、
成田山月参講中と刻まれている。
あと、
石灯籠。
そして、
ここは高柳学校風早南部小学校発祥ノ地でもある。
この碑によると、
明治六年(1873年)3月3日にこの福寿院境内に高柳学校が開校したらしい。
高柳村・高柳村新田・塚崎村の児童を教育、
明治二十年(1887年)には高柳の善竜寺の敷地に転出したようだ。
奥には、
寛延四年(1751年)の六地蔵。
その先に、
福寿院観音堂の説明板。
柏市指定文化財(建造物)
福寿院の観音堂
三間半四方の小さな観音堂で、
周囲に濡れ縁をめぐらした回廊造りの建物です。
入母屋造りで破風が付く茅が葺かれています。
建立年代は不明ですが、
前の建物が安政2年(1855)の落雷によって焼失したと記録されていることから、
それ以降の再建と思われます。
堂前には、
この時の火災によって焼かれた大欅の幹部が残っています。
向拝の中備には、
龍の彫刻が施され、
外陣の欄間には天女・牡丹・唐獅子等の彫刻が描かれています。
本尊の十一面観音立像は秘仏で、
童顔で施無畏院を結ぶ端正なものです。
市内に残された江戸時代の建造物として重要です。
昭和53年2月13日、
柏市(当時は沼南町)の建造物に指定されました。令和2年3月26日 柏市教育委員会
福寿院の観音堂の説明板
この観音堂、
なかなか素晴らしいのだ。
他にも、
覆屋の中に嘉永四年(1851年)の待道大権現の石祠。
同じように、
覆屋の中に安政五年(1858年)の大杉殿の石祠。
元禄二年(1689年)、
十九夜塔。
大正五年(1916年)、
二十三夜塔。
昭和六十三年(1988年)、
豚を中心に牛・犬・兎・鶏・馬が刻まれた動物供養碑などなど。
東葛印旛大師第27・82番
そして、
東葛印旛大師第27・82番。
実際の四国八十八所霊場第27番は、
神峯寺。
所在地:高知県安芸郡安田町唐浜
創建年:(伝)天平2年(730年)
開基:(伝)行基
山号:竹林山
院号:地蔵院
寺号:神峯寺
宗派:真言宗豊山派
本尊:十一面観世音菩薩
真言:おん まか きゃろにきゃ そわか
御詠歌:みほとけの めぐみの 心神峯 山も誓いも 高き水音
実際の四国八十八所霊場第82番は、
根香寺。
所在地:香川県高松市中山町
創建年:(伝)弘仁年間(810年 – 824年)
開基:(伝)空海(弘法大師)、円珍(智証大師)
山号:青峰山
院号:千手院
寺号:根香寺
宗派:天台宗単立
本尊:千手観世音菩薩
真言:おん ばさら たらま きりく そわか
御詠歌:宵のまの 妙ふる霜の 消えぬれば あとこそ鉦の 勤行の声
沼南の歴史をあるく39 善龍寺
東葛印旛大師2番の善龍寺は、
福寿院から大津川を渡って少し行った先にある。
ここも、
沼南の歴史をあるくの白い標柱があって39だ。
高柳山善龍寺竜正院という天台宗のお寺で本尊は釈迦如来です。
沼南の歴史をあるく39 善龍寺
昔は県道を隔てた東側の台地に伽藍が有りましたが、
火災で焼失したのち現在地に移転したと伝えられています。
ここには、
八十八箇所巡拝記念碑や比叡山参拝記念碑などなど。
そして、
文政五年(1821年)の十九夜塔。
正徳三年(1713年)の六地蔵と、
高柳山善龍寺龍正院と刻まれた門柱。
参道の途中には、
寛文十二年(1672年)の延命地蔵。
その先には、
山門がある。
山門を進むと、
正面には本堂。
左には、
鐘楼。
右には、
謎の三体の石像。
その先には、
如意輪観音堂。
如意輪観音堂の脇には、
大正13・15年(1924・26年)善光寺参拝記念塔が2基。
その後ろには、
明治二十九年(1896年)線刻釈迦三尊碑。
本堂手前には、
五葉松。
手前には、
この五葉松の謂れが刻まれた石板。
この五葉松は
五葉松謂れ石板
文久三年春三月三日
上野輪王寺宮公現法親王殿下より
御配意を賜り
当山第十世泰然和尚が
この地に植樹したものである。
更に、
柏市指定文化財(天然記念物)になっているのでその説明板もある。
柏市指定文化財(天然記念物)
善龍寺の五葉松五葉松は、
マツ科の常緑高木で、
本州南部から四国、
九州にわたり広く分布しています。
樹皮は暗灰色・鱗状をしています。
一ヶ所から五本の針葉が出るため、
めでたい樹木とされ、
その名の由来となっています。
本堂左のこの五葉松は、
高さ約4メートル、
幹囲約1.3メートルの主幹は安定した蛇行をし、
中ほどより少し上から左右に長大な枝を張り、
上下前後に大玉を形成し、
見事な枝ぶりを見せています。
全体として調和のとれた、
美しい盆栽様の形状です。
当寺の記録では、
この松樹は文久元年(1861)に東京都上の寛永寺の輪王寺宮公現法親王より下賜されたとあります。
当時の住職泰然がここに植樹しました。
泰然は当寺に40年も住職を務めており、
寛永寺とも深いつながりがあったのでしょう。
昭和50年12月4日に柏市(当時は沼南町)の天然記念物に指定されました。令和2年3月26日 柏市教育委員会
善龍寺の五葉松 説明板
本堂には、
猫が1匹。
東葛印旛大師第2番
そして、
東葛印旛大師第2番の大師堂。
右脇には、
四國八十八番・坂東三十三番・秩父三十四番・西國三十二番巡拝記念塔。
左脇にも大日法身真言塔や、
弘法大師…と刻まれた石塔。
それで実際の四国八十八所霊場第2番は、
極楽寺。
所在地:徳島県鳴門市大麻町桧字ダンノ上
創建年:(伝)弘仁年間(810年 – 824年)
開基:(伝)行基
山号:日照山
院号:無量寿院
寺号:極楽寺
宗派:高野山真言宗
本尊:阿弥陀如来
真言:おん あみりた ていぜい からうん
御詠歌:極楽の 弥陀の浄土へ 行きたくば 南無阿弥陀仏 口ぐせにせよ
念仏堂跡
高柳地区の最北部にある念仏堂跡は、
塚崎地区神明社と向かい合う位置にある。
道路脇には、
宝暦五年(1755年)の青面金剛塔。
覆屋には、
4基の石塔。
右から明治二十九(1896年)年、
弘法大師供養塔。
文化十五年(1818年)、
徳本念仏塔。
文政十二年(1829年)、
光明真言塔。
年不明、
弘法大師供養塔建設碑。
あとは、
馬頭観音塔が草むらにある。
東葛印旛大師第3番
馬頭観音の脇にあるのが、
東葛印旛大師第3番の大師堂。
実際の四国八十八所霊場第3番は、
金泉寺。
所在地:徳島県板野郡板野町大寺
創建年:(伝)天平年間(729年 – 749年)
開基:行基、聖武天皇(勅願)
山号:亀光山
院号:釈迦院
寺号:金泉寺
宗派:高野山真言宗
本尊:釈迦如来
真言:のうまくさんまんだ ぼだなん ばく
御詠歌:極楽の 宝の池を 思えただ 黄金の泉 すみたたえたる
おまけ 香取神社
高柳地区にも、
香取神社がある。
県道8号線近くの鳥居の正面は、
長い木造の瑞垣になっている。
右に拝殿があり、
左に覆屋の中に本殿。
要はここは側面に至るわけで、
別に鳥居がある。
本殿は、
彫刻がなかなか素晴らしい。
他には、
明治八年(1875年)の痘神と刻まれた疱瘡神塔くらいか。
というわけで…
今回の東葛印旛大師88ポタリングは、
高柳地区の福寿院第27・82番札所と善龍寺第2番札所と念仏堂跡第3番札所。
そしておまけで、
高柳香取神社。
東葛印旛大師第27・82・2・3番ポタリングMAP
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