映画【ミステリと言う勿れ】のロケ場所【旧井上住宅】

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋と旧漉場

以前にも1度登場した旧井上家住宅

3年ほど前に訪ねてここでも1度出てきている旧井上住宅、
映画『ミステリと言う勿れ』のロケに使われてパネル展もあるということで再度訪問してみた。

ここは今回の映画以外でもロケに使われていて、
WOWOW2021年放送のオリジナル・ドラマ『にんげんこわい』にも登場していた。

旧井上家住宅アクセス

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅

この旧井上家住宅は、
我孫子市指定文化財になっていて無料で見学できる。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅駐車場入り口

最寄り駅はJR成田線の木下駅か布佐駅だけど、
どちらも徒歩で20分はかかる。

車なら常磐自動車道(柏インターチェンジ)から国道16号を進み、
桜台交差点を左折し手賀沼ふれあいラインを行くと左側に駐車場の入口がある。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅駐車場にある看板

駐車場から敷地内に入るところには、
井上家の家紋である井桁に三ツ星がある鉄の門みたいなもの。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅の鉄門2

そして、
今はもう使われていないっぽい井戸。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅の井戸1
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅の井戸2

映画【ミステリと言う勿れ】で使われた新土蔵でパネル展

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵内部

その先右手には、
新土蔵がある。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵説明パネル

新土蔵

木造モルタル塗瓦葺
昭和5(1930)年建設

昭和5年に地鎮祭を行い、
翌年に完成しました。
広さは約18坪。
木造ですが、
内部の壁は金網(ラス)を下地としてモルタルを塗り、
外壁の仕上げは漆喰となっています。
扉は鉄製です。
当時の最新技術を使用して建てられたことがわかります。
新土蔵が建てられたころは、
相馬耕地整理組合で行っていた干拓事業の成果が実りはじめた時期であったことから、
新たな干拓地で収穫した米を貯蔵するため、
つくられたと考えられます。

旧井上住宅新土蔵解説パネル
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵外観1
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵外観3
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵外観2
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵外観4

中に入ると、
こんな感じ。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵天井
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵内部1
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵内部2

今回この新土蔵で、
映画『ミステリと言う勿れ』映画公開記念のパネル展をやっていた。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵映画公開記念パネル展2
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵映画公開記念パネル展3
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵映画公開記念パネル展4
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵映画公開記念パネル展5
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵映画公開記念パネル展6
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵映画公開記念パネル展7
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵映画公開記念パネル展8
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵映画公開記念パネル展9
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵映画公開記念パネル展10
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵映画公開記念パネル展11
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵映画公開記念パネル展12
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵映画公開記念パネル展13
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅新土蔵展示パネル
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅映画チラシ1
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅映画チラシ2
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅映画チラシ3
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅映画チラシ4

映画【ミステリと言う勿れ】で使われた二番土蔵

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅二番土蔵外観1

新土蔵の隣にあるのが、
二番土蔵。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅二番土蔵解説パネル

二番土蔵

土蔵造瓦葺二階建
嘉永4(1851)年建築

洪水などにとる水害を避けるために水塚の上にあるのが特徴です。
広さは10坪。
当初は写真のように同じ規模の蔵が3楝並んで建てられていましたが、
現存する蔵は中央の二番土蔵のみです。
床下には湿気防止のため貝殻が敷き詰められています。
用途は文書の保存や、
道具蔵などと言われています。
平成28(2016)年から30(2018)年にかけて修復工事を行いました。

旧井上住宅二番土蔵解説パネル

なるほど、
写真には確かに3楝の蔵が写っている。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅二番土蔵解説パネル写真

これが全部残っていたら、
より素晴らしい光景になっていたに違いない。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅二番土蔵外観8

ただ1つだけでもなかなかだし、
新土蔵も並んでいる。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅二番土蔵外観2

こちらは扉が閉ざされていて、
内部を見ることができない。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅二番土蔵外観3

扉前にあったものは、
修復工事以前の壁の一部か何かなんだろうか?

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅二番土蔵外観7

なかなか重厚なつくりで、
内部も見て見たくなる。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅二番土蔵外観5

瓦には、
井上家の家紋がちゃんとある。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅二番土蔵外観4

映画では物語上広大な敷地に蔵が4棟ある設定で、
それぞれの蔵を2パターンずつ美術で飾り込み見た目の印象を変え4棟ある設定で撮影しているようだ。

表門

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅表門2

さて、
蔵以外も見ていこう。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅表門解説パネル

ふれあいライン側から入ると、
表門は1番奥になる。

表門

木造切妻造桟瓦葺
嘉永4(1851)年建築

医薬門。
屋根の上部にある楝部分は漆喰と瓦により青海波を模しています。
青海波は、
広い海がもたらす恩恵を感じさせる柄で、
無限に広がる波の文様に未来永劫へと続く幸せへの願いと、
人々の平安な暮らしへの願いが込められた縁起のよいもので、
屋根の意匠としてよく使われます。
裏門と同じく平成27(2015)年に保存整備工事が行われ、
大正期に補修されたことがわかりました。
保存整備工事では腐朽・破損部分の修理・修復と、
後補の改変が明らかな部分の復元が行われました。

旧井上住宅表門解説パネル
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅表門1

青海波の模様と、
家紋が見える。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅表門3

ある意味こちらが正面と言え、
なのでこの旧井上住宅の解説パネルもここにある。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅解説パネル

旧井上家住宅

江戸幕府は江戸のはじめより財政を豊かにするために新田開発を推し進め、
手賀沼もその候補地として選ばれましたが、
幕府主体の新田開発を思うように進まず、
商人主体の新田開発に移行します。
しかし、
手賀沼開拓は困難を極め、
脱落者が続出します。

井上家はもともと江戸で雑貨商を営んでいましたが、
手賀沼干拓に従事するため、
享保12(1727)年ごろから相島、
三河屋新田の干拓事業に乗り出した結果、
ここに居を移し、
名主を務めるほどになりました。

明治になると、
12代目井上二郎が最新技術であった機械排水を取り入れたことにより、
干拓地を広げることに成功しました。
この成功を称え「開発救世の碑」が旧井上家住宅裏門前に建っています。

旧井上家住宅は大きく分けて、
二つの時代で構成されています。
一つは、
江戸時代9代目主信によって建てられた名主邸の格式を備えた母屋と二番土蔵です。
もう一つは、
近代に増築された部分である母屋の増築部分の釜屋(大正15(1926)年)と、
新土蔵(昭和5(1930)年)です。
これらは二郎によって、
当時最先端の技術であったコンクリートを使って建てられています。

旧井上家住宅は江戸時代の名主邸としての風格と格式を具えた良質の建築であり、
あわせて、
名主に関する文献や、
手賀沼干拓に関する資料群が大量に残されており、
「家と家の歴史を裏付ける資料」が今日まで残っている貴重な文化遺産となっています。

旧井上家住宅は平成24(2012)年に市指定文化財となりました。

指定された建築物

旧井上家住宅:6楝 ■母屋(安政5(1858)年) ■二番土蔵(嘉永4(1851)年)
         ■新土蔵(昭和5(1930)年 ■旧漉場(大正8(1919)年)
         ■表門(弘化4(1847年)) ■裏門(大正11(1922)年)

     附:3楝 ■庭門(昭和初期) ■庭門両脇屋根塀(昭和初期)
         ■裏門両脇屋根塀(大正時代)

旧井上家住宅解説パネル

表門から右手に屋根塀が続いて、
裏門に繋がっていく。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅塀1

こちらの家紋は井桁に三ツ星ではなくて、
丸に片喰だ。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅塀2

裏門

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅裏門5

さて、
裏門。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅裏門解説パネル

裏門

木造切妻造桟瓦葺
大正11(1922)年建築

医薬門。
井上家が使用していた二つの家紋が瓦に意匠として組み込まれ、
鬼瓦と降楝の鬼には「丸にかたばみ」、
留蓋には「井筒に三ツ星」とそれぞれに用いられています。
表門とは異なり、
紐漆喰や目地漆喰は施されていないため、
白地が少なく全体的に落ち着いた印象になっています。
表門と同じく平成27(2015)年に保存整備工事が行われ、
腐朽・破損部分の修理・修復と、
後補の改変が明らかな部分の復元が行われました。
こちらも旧漉場と同じく棟梁は三河屋江上仙太郎と棟札からわかっています。

旧井上家住宅裏門解説パネル
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅裏門2
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅裏門3
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅裏門4
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅裏門1

井上家住宅解説パネルにあったように、
道を挟んで『開発救世の碑』がある。

開発救世の碑

旧漉場

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅旧漉場4

表門を入って左手には、
大きな羽釜。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅羽釜

そして、
右手には旧漉場がある。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅旧漉場1

ここにパンフレットなどがあり、
訪問時にはボランティアの方だろうか?の姿があった。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅旧漉場解説パネル

旧漉場

木造瓦葺平屋建(一部二階建)
大正8(1919)年建築

広さは約18坪。
名称は旧漉場ですが、
昭和2(1927)年の家屋届には「倉庫」と書かれています。
また、
油業は明治のころには規模を縮小していることから、
仕事場や宿舎として使われた可能性もあります。
棟札が見つかっているため、
棟梁は裏門と同じく三河屋江上仙太郎とわかっています

旧井上家住宅旧漉場解説パネル
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅旧漉場2

中を覗くと、
菅田将暉サインが。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅旧漉場3

こちらが、
アップ。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅旧漉場5菅田将暉サイン

母屋

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋

表門を抜けた正面には、
母屋。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅表門先の母屋

屋根は今では鉄板葺だけど、
元々の茅葺きだったら更に素晴らしい建物だっただろう。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋解説パネル

母屋

木造鉄板葺平屋建(一部二階建)
安政5(1858)年

広さは約76坪。
建てられた当初は茅葺でしたが、
戦後、
屋根の痛みから現在の鉄板で覆われました。
奥の間は書院造りとなっていることからも、
名主の家にふさわしい建物になっています。
式台玄関は少なくとも二度変わっていることがわかっています。
現在の形は昭和5(1930)年につくられたものです。
また、
北側の鉄筋コンクリート造りの釜屋は大正15(1926)年に増築され、
同年代に電気が開通していたことから、
当時布佐では最先端の建物でした。

旧井上家住宅母屋説明パネル

ちなみにもう1つあった母屋のパネル、
相変わらず万延元年(1860)年に建築されたとなっている。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋解説パネル2

安政5(1858)年と万延元年(1860)年、
まあ殆ど同じなんだけどね。

さてさてこちらが旧漉場の奥、
母屋の右手奥にある大正15(1926)年に増築された釜屋部分。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋増築部分釜屋1

当時最先端の技術であった、
コンクリートを使って建てられたもの。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋増築部分釜屋2

母屋の右手、
釜屋の手前部分は土間になっている。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋内部5

土間には入ることができて、
一部内部の様子を見ることができる。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋内部3
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋内部4
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋内部1
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋内部2
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋内部6
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋内部7
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋外観1
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋外観2
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋内部8

母屋の左手には小規模な薬医門、
庭門があって奥が庭になっている。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋庭門
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋庭の灯籠
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋庭からの母屋外観2
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋庭からの母屋外観1

庭からも
土間同様に内部の様子を見ることができる。

ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋庭からの母屋外観3
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋庭からの内部の様子1
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋庭からの内部の様子2
ミステリと言う勿れのロケに使われた旧井上住宅母屋庭からの内部の様子3

というわけで…

今回は3年ほど前に訪ねていて、
この場所でも1度出てきている旧井上住宅。

ここが映画『ミステリと言う勿れ』のロケに使われていて、
パネル展もあるということで再度訪問してみた。

古い建物好きとしては、
やはりここはなかなか楽しい場所ではあるが中に入れないのが残念なことろ。

例えばドラマ『JIN-仁』のロケにも使われた旧吉田家住宅歴史公園の建物や旧杉村楚人冠邸の母屋、
旧取手宿本陣染野家住宅などは中に入れるからなあ。

でもまあ、
ここはここでやはりたまに訪れたくなるような場所ではある。

再訪のキッカケになった映画『ミステリと言う勿れ』は、
今のところ観ていない。

King Gnu – 硝子窓

それじゃあ最後に、
映画『ミステリと言う勿れ』の主題歌。

King Gnu、
硝子窓。

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