武内カズノリ/津野元子 – CRITICAL POINT 臨界点
旧村川別荘の3つ目の作品は、
母屋の前の庭と母屋の中に展示(~5/16)。
このいつもの風景を別の風景に大きく変える作品が、
武内カズノリ/津野元子氏の『CRITICAL POINT 臨界点』。
主屋前の平場に顔が2つ、
どちらもあまりにも印象的だ。
これは地面から湧いてきたのだろうか?
それとも地面に沈んでいったのだろうか?
この顔の先はどんなふうになっているんだろう?
掘ってみたところで置かれているだけだから先はないしそもそも掘るわけにもいかない。
母屋内にも顔が沢山並んでいて、
大きいものは座布団の上に座っている。
顔が座っている?
違うか置かれているのか。
でも顔が座っている、
という方がなんだかしっくりくる。
母屋の中には今は入れないが、
外から中を見ることはできる。
大きな顔の周りには小さい顔がたくさん、
笑っているんだろうか実は怒っているんだろうか?
江戸時代の建物だった母屋が、
何か違う世界の違う時代のものにすり替えられたかのように印象が変わる。
上を見上げると、
真綿を張った偽物の雲みたいなものが浮かんでいる。
顔の方が武内カズノリ氏の作品で、
雲みたいな方が津野元子氏の作品なんだろう。
最初に訪れた時は母屋内の大きな顔の左は光っていなかったが、
二度目に訪れた時は光っていて顔に繋がっていたコードの意味がわかった。
臨界点
ところで『CRITICAL POINT 臨界点』とは純物質的臨界点のことなんだろうか?
それとも数学的臨界点のことなんだろうか?
物質がある状態から別の状態へ変化する境界?
すべての偏微分が 0 になるような定義域内の値?
何かの臨界点を超えると、
こんなものが出てくるのだろうか?
まあ考えても仕方がないし、
この作品を見る時に意味はない。
というわけで…
今回の『我孫子アートな散歩市』は旧村上別荘に展示されている(もう既にいたになっている)、
N1 – 武内カズノリ/津野元子 – CRITICAL POINT 臨界点。
景色を変えるインパクトは強い作品は展示期間も短かった(5/11-16のたった6日間)、
もう少し展示期間が長ければ良かったのにね。
どこかで展示されたら、
やはりまた見てみたいと思わせる強烈な印象を齎す作品だった。
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