OZ-尾頭―山口佳祐 – 静寂
今回は以前にも1度紹介したことがある、
我孫子市市制50周年記念の壁画だ。
昨年の7月頃に突然姿を現して以来、
週に1度くらいのペースで見ることになる。
作者はOZ-尾頭―山口佳祐氏、
作品のタイトルは『静寂』。
今回の『我孫子アートな散歩市』にエントリーされているけれど、
実際には期間限定ではなく手賀大橋下・隧道でいつでも見ることができる。
長さ25メートル/高さ3メートルのトンネルの両側に描かれたその作品は、
昨年の7月に完成されたもので自転車で通る度に今でもペダルを漕ぐのを止めて見てしまう。
いつの頃からか防犯カメラが設置されているが、
いたずら書きでもされたらとんでもないからこれはありだな。
湿気が多いからだろうか、
若干一部色が落ち始めているところもある感じだがこの先大丈夫なんだろうか?
上の写真以外はできたての頃のものだから、
まだまだキレイなままだ。
もちろん今もその姿はほとんど変わらないんだけれど、
色が落ちないことを願うばかりだ。
もちろん落書きは、
もってのほかだけれど。
ここに描かれてのは我孫子市の鳥オオバン、
そしてかつて手賀沼に生育していた水草ガシャモクを載せた小舟が描かれている。
シンプルな色使いで落ち着いた雰囲気だけれど、
それがまたステキなのだ。
ガシャモク
ところで手賀沼近辺の農家では、
このガシャモクと稲藁を交互に積み重ねて堆肥をつくっていたそうだ。
このガシャモクをとる作業を『モクトリ』と言ったらしく、
遊歩道に点在するパネルの1つにそのことが書いてあった。
このガシャモクは絶滅したと思われていたが、
一時期再発見されたらしい。
その後どうなったんだろうか?ビオトープで育成しているんだろうか?
こういった水草があることで水がキレイだった手賀沼。
汚染によって絶滅していき、
水質は下がっていきの悪循環だったのだろう。
復活して水がキレイになっていくことはあるのだろうか?
そんなことをこの壁画を見る度に思ってしまう。
オオバン
オオバンは、
今でも普通にあちこちで見られる。
基本黒いが頭から嘴にかけて白く、
それがなかなか可愛く見える。
水に浮かんでいることも多いが、
場所によっては地上で草を啄んでいる光景を良く見掛ける。
飛んでいるところはあまり見たことがないので、
この壁画の飛んでいる姿は新鮮だ。
どちらかというと、
シルエットで描かれているように歩いている印象の方が強いかもしれない。
ただ作者のコメントでは、
このシルエットのオオバンは我孫子に集った白樺派の文化人をイメージしているらしい。
いずれにしても、
アートではあるが手賀沼のことをいろいろと考えさせられる壁画になっている。
というわけで…
今回は期間限定ではない作品、
OZ-尾頭―山口佳祐氏の『静寂』でした。
両側に長く描かれたものだから、
こればかりは実際に見ていただいた方が遥かに楽しいはずだ。
いつもこのあたりをジョギングやサイクリングで通る方には、
もう当たり前の風景になっているだろうけどそれって結構当たり前ではなくて特別なことだと思う。
ところで、
この隧道の手賀沼公園に向かう出口のすぐ左に新たな道が出来ている。
今のところ柵があって通れないけれど、
そのうち通れるようになるんだろうか?
どこまで道が続いているのか?
はわからないが楽しみである。
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